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次に、興業会社というのがありましたけれども、大都市におけるいわゆる商業劇場と言われている日本演劇興行協会という9社19劇場、さらに中劇場協議会、東京を中心に中小劇場が集まっている劇場の協議会がある。次に、先ほどのプロダクションとも重なる機能としてエージェント、プロモーターという機能がある。場合によっては作品づくりを一緒にはやるのだけれども、その代理人というか協力者、例えばクラシックマネージメント系の事務所というのは、アーチストが所属して、そのマネージメント、紹介とかをやるのですけれども、そのほかに催し物の主催、企画も行うこともある。コンサートプロモーター協会、全国コンサート事業者協会、この辺は後で山本さんが詳しく話をすると思いますけれども、地域の公立文化施設を借りたり共同で事業をやる。実際の作品を創っているところはまた別のところにあるが、エージェント、代理人がいて、その人たちとプロダクションは共同作業で作品をつくっていくという関係になってきている。個別的にプロモーターの方に注文をつけて、作品を変えてくれとか、こういう工夫はできないかというのはできない場合があるわけです。もう決まったものしか。カンパニーですと、自分で物をつくっている場ですから、その相談に応じる可能性がある、これは可能性の問題ですけれども。そういう少しずつ役割が違ってきているさまざまな組織を認識していただいた方がいいのかと思います。それと先ほど地域のハイデマンダーではないですけれども、歴史的にはいろいろ鑑賞団体、このほかにもいろんな文化団体があり、公演の場というのが成り立ってきた。そして公立文化施設、そういう組織がいっぱいあってこの世界が成り立ってきている。
次に、演劇の場合だけ資料に少し書きましたけれども、組織の役割◎、○、△と概略を示しました。生産、流通、消費という観点で言いますと、例えば劇団というのはかなり作品をつくるというところを中心に、チケットを売り、観客を集める消費、鑑賞の部分まで自分たちが責任を負う手打ちの場合もありますけれども、主にはいろんな組織に依存して、全国各地の演劇鑑賞会にその作品を受けてもらって上演する、あるいは各地の公立文化施設に自主事業として受けてもらい公演する構造になっている。そのほかに劇団という形で、俳優とかは所属はしていないんだけれども、企画し作品をつくっていく、演劇制作事務所的なものが最近ふえてきている。プロデューサーと演出家でコンビを組んで俳優をキャスティングし、作品をつくっている組織もかなりふえてきた。それと先ほど言いましたエージェント、作品をつくらないで、この時期こういう作品が皆さんに提供できますよということの代理の役を果たす人、これは主にポピュラー音楽関係で多くなってくると思います

 

 

 

 

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